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枝分かれしたサンゴ礁の間を青やオレンジ色の魚たちが泳いでいる画像
Akira , 2022 / Urasoko Bay

しらべる サンゴ礁

サンゴは、どんな動物なのだろう?

口と触手、粘液、骨格から、サンゴの暮らしをたどる

un-0065 公開

海の中で枝を広げるサンゴ。丸い岩のように、海底にどっしりと構えるサンゴもいます。魚のように泳ぐ姿を見せないこの生きものは、どこに口があり、何を食べて暮らしているのでしょう。

まずは、暖かい浅い海のサンゴ礁でよく見られる、硬い骨格をもつイシサンゴのなかまを見てみましょう。[1]

表面に見える、動物の体

枝や、丸いかたまりの全体から、その表面へ目を移します。触手を伸ばしているところを拡大すると、小さなイソギンチャクのような姿が見えてきます。筒のようなやわらかい体の先に口があり、そのまわりを触手がぐるりと囲んでいます。この、口と触手をもつ一つの体が、サンゴの「ポリプ」です。[2]

密集した小さなポリプが表面を覆う、ミドリイシの枝の接写。Akira , 2019 / Urasoko Bay
密集した小さなポリプがエダサンゴの表面を覆う

イシサンゴのポリプには、直径が数ミリほどのものもあります。口の先には、食べものを消化する袋のような空間が広がっています。食べものを取り込むのも、消化されずに残ったものを外へ出すのも、同じ口を通してです。[2]

ポリプは、水中を漂う小さな動物プランクトンなどを触手でとらえ、口へ運んで食べます。また、多くのサンゴは、膜状や糸状の粘液に細かな有機物の粒をくっつけ、口へ取り込むこともあります。[1]

粘液は、食べものを集めるだけに使われるわけではありません。ハマサンゴのなかまには、表面に付いた土砂を、粘液の膜ごと剥がして取り除くものもいます。[7]

ハマサンゴの表面を覆う、白く薄い膜状の粘液が剥がれかかっている様子Akira , 2022 / Urasoko Bay
コブハマサンゴの表面から剥がれ落ちる粘液の膜

暖かい浅い海にすむ多くのサンゴは、体内で暮らす藻からも、光合成でつくられた栄養を受け取っています。この関係は、第3回で詳しく見ていきます。[6]

イソギンチャクやクラゲと同じなかま

ポリプがイソギンチャクに似ているのは、見かけだけのことではありません。サンゴもイソギンチャクも、クラゲと同じ「刺胞動物(しほうどうぶつ)」のなかまです。[3]

その名のもとになった「刺胞」は、細胞の中にある小さなカプセルです。刺激を受けると、中にしまわれた細い管が飛び出します。獲物に刺さって毒を送り込むものもあり、サンゴは触手にある刺胞を、食べものをとらえるときに使います。クラゲに刺されるのも、この刺胞のはたらきです。[1][3][4]

海を泳ぐクラゲと、枝や岩のようなサンゴ。全体の姿は違っても、体のつくりや獲物をとらえるしくみに、共通する特徴があります。

硬い枝と、やわらかい体

では、ポリプがやわらかい動物なら、イシサンゴの硬い部分は何なのでしょう。

硬い部分は、ポリプが体の下につくる骨格です。主な成分は、石灰岩にも含まれる炭酸カルシウムです。[1]

骨格はやわらかい体を支え、波や流れのある海の中で、枝やかたまりの形を保つ土台になります。[8]

イシサンゴでは、ポリプのやわらかい体が、骨格のくぼみに収まっています。食べものをとるときには触手を外へ伸ばし、外から刺激を受けると、体を縮めてくぼみの中へ引っ込みます。硬い骨格の内側へ引っ込むことが、ポリプを食べようとする相手から身を守る助けになるのです。[5]

サンゴのからだ、ポリプと骨格を示す断面図のイラストUnisk 2026

サンゴには、こうした硬いかたまりをつくらないソフトコーラルなどもいます。[1] また、多くのサンゴはポリプがつながった「群体(ぐんたい)」として暮らしますが、一つのポリプで暮らす種類もいます。サンゴといっても、姿や暮らし方はいろいろです。[6]

枝のように見えるサンゴに戻ってみると、その形を支える骨格の表面に、口や触手をもつやわらかな体が見えてきます。サンゴは、自ら骨格をつくりながら暮らす動物なのです。

出典(調べるのに使った本や資料 ─ 8件)
  1. NOAA National Ocean Service. What are corals?.
  2. NOAA National Ocean Service. Polyps up close.
  3. 田辺力(2005). クラゲ、サンコ、イソギンチャクは同じグループなのに形が違っていて不思議です. 徳島県立博物館ニュース, 59.
  4. NOAA National Ocean Service. Nematocyst cell.
  5. NOAA National Ocean Service. How do corals grow?.
  6. NOAA Coral Disease & Health Consortium. Coral Polyp Anatomy(英語)。冒頭に群体と一つのポリプで暮らす種類の説明と写真、「Polyp Anatomy」に体内の藻との関係の説明。登録不要で本文を閲覧できる。
  7. Australian Institute of Marine Science(2017). Sneezing corals: Mucous sheets and sediment exposure(英語)。粘液の膜で土砂を取り除くハマサンゴ類の研究解説と写真。
  8. Smithsonian’s National Zoo and Conservation Biology Institute. Corals and sea anemones (anthozoa)(英語)。「Physical Description」に、体の外につくる構造がやわらかい体を支え、保護することの説明。

文・内藤明
更新 2026.10.21
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