本文へ
青い海の中で、世界最大級のハマサンゴのそばを泳ぐスキューバダイバー。水面近くには気泡が見える。

しらべる サンゴ礁

石の家のつくりかた

un-0053 公開

やわらかな体の下に

サンゴのからだで見たポリプは、小さくて、やわらかな動物でした。サンゴ礁をつくる造礁サンゴは、その体の下に、石のようにかたい骨格をつくります。[1]

骨格は、ポリプを外敵や厳しい環境から守ります。危険を感じると、ポリプは骨格のくぼみに体を引っ込めて、身を守ります。[3]まるで、小さな石の家です。

石の家を、つくり足す

この骨格の主な成分は、炭酸カルシウム。貝殻にも含まれ、黒板に書くチョークの原料にも使われています。[1][5][6]

新しい骨格は、骨格をおおうやわらかな組織と、骨格のあいだのごく小さな空間でつくられます。そこへ材料となる成分を運び、少しずつ作り足していきます。[2][7]

サンゴは何を食べる?で見た、体の中の藻がつくる栄養や、自分で食べて得た栄養。この栄養から、骨格をつくるためのエネルギーを得ています。[2][4]

触手と口をもつサンゴのポリプが、杯状の骨格の内側と表面をおおう断面図。やわらかな体と骨格の間に、骨格がつくられる微小な空間を水色で示している
サンゴのポリプと骨格の断面図

こうして、サンゴは骨格を作り足しながら成長していきます。[2]なかには、人の背丈をこえるほど大きく育つものもあります。[3]

骨格をおおうやわらかな組織と、骨格のあいだには、ごく小さな空間があります。図では、この空間を淡い色で模式的に示しています。骨格の成長の速さやしかたは、場所によって異なります。[7][8][9]

では、生きものがつくった骨格は、島の大地とどうつながるのでしょう。海から大地をつくる生きものへ続きます。

出典(調べるのに使った本や資料 ─ 9件)
  1. 渡辺俊樹(2007). 造礁サンゴ骨格形成における石灰化の分子機構. 地質ニュース, 632, 35–40. https://www.gsj.jp/data/chishitsunews/07_04_09.pdf
  2. 藤村弘行(2016). サンゴ礁の化学(講座 ご当地の化学[沖縄県/九州支部]). 化学と教育, 64(11), 560–. https://www.jstage.jst.go.jp/article/kakyoshi/64/11/64_560/_pdf
  3. NOAA National Ocean Service. Corals Tutorial: How do corals grow? https://oceanservice.noaa.gov/education/tutorial_corals/coral03_growth.html
  4. Houlbrèque, F., & Ferrier-Pagès, C. (2009). Heterotrophy in tropical scleractinian corals. Biological Reviews, 84(1), 1–17. https://doi.org/10.1111/j.1469-185X.2008.00058.x
  5. 気象庁. 海洋酸性化の影響. https://www.data.jma.go.jp/kaiyou/db/mar_env/knowledge/oa/acidification_influence.html
  6. 日本理化学工業株式会社. 環境に配慮したダストレスチョーク. https://rikagaku.co.jp/pages/chalk (アクセス日:2026-10-09)
  7. Venn, A., et al. (2011). Live Tissue Imaging Shows Reef Corals Elevate pH under Their Calcifying Tissue Relative to Seawater. PLOS ONE, 6(5), e20013. https://doi.org/10.1371/journal.pone.0020013
  8. Goreau, T. F. (1959). The Physiology of Skeleton Formation in Corals. I. A Method for Measuring the Rate of Calcium Deposition by Corals under Different Conditions. The Biological Bulletin, 116(1). https://doi.org/10.2307/1539156 (出版社掲載の要旨を確認)
  9. Fouke, K. W., Trop, J. M., & Sivaguru, M. (2021). Changes in Coral Skeleton Growth Recorded by Density Band Stratigraphy, Crystalline Structure, and Hiatuses. Frontiers in Marine Science, 8, 725122. https://doi.org/10.3389/fmars.2021.725122
文・内藤明
更新 2026.10.09
コメント

書きこむ

メールアドレスは集めません。確認したあとに表示します。

CAPTCHA